udf weblog
建築を中心としたアート関連の雑記です。

WAR IS OVER! IF YOU WANT IT.

鈴木 丘 作品展

:: Posted at 2008-1118 23:17 | art | TrackBack(0) | Comment(0) | URL | TOP | EDIT
[art] 鈴木 丘 作品展

鈴木丘-1
展覧会パンフレット・表

鈴木丘-2
展覧会パンフレット・裏

鈴木丘-3
会場風景 奥様の屏風とともに

鈴木丘-4
和室とのマッチングがとても良い

ブロンズ彫刻 種に還る果実」と言う展覧会が、「沼津御用邸記念公園http://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/sisetu/goyotei2/index.htmの「西付属邸」内で行われている。
鈴木丘氏は静岡県大仁町(現在は「伊豆の国市」)の出身で、芸大の鋳金科を経てハンブルクで金属彫刻を学んでいる。今回の作品群はブロンズで制作されていて、様々なフォルムの作品が、黒やゴールド、シルバー(ホワイトブロンズ)といった種々の表情を持って作り出されている。
テーマは「種に還る果実」で、鈴木丘氏は近年の作品をこのテーマにもとづいて制作されているようだ。
旧御用邸の和室に現代的な作品が置かれているが、障子や畳の縁と言った和室の持つ直線的モチーフと、作品の柔らかな曲線が不思議な心地よさをもたらしてくれる。作品の一部は奥様が製作された屏風と一対となって展示されているが、屏風のデザインは、「沼津」と言う場所を端的に表現した「松」と「波」の「一双」(あるいは、まったく別のコンセプトがあるとすれば「二隻」※)も、近代的なデザイン性を持ちつつ和室と彫刻作品に見事に調和している。
今回は沼津と言うことで、東京からはやや遠い場所、といったイメージがあるが、東名東京から約1時間ほどで沼津ICに着いたので、それほど遠いといったイメージはない。東京から1時間ちょっとで海と文化を満喫できるとは予想外だった。
沼津は若山牧水など多くの文豪の記念館や」、企業家の別荘などが点在していてまたゆっくり訪れてみたい地である。
■会場:沼津御用邸記念公園西付属邸
■会期:2008年11月01日(土)~11月30日(日)
■開場時間:9:00~16:30 (観覧受付は16:00まで)
■入園・観覧料:大人400円、小中学生200円
屏風の数え方:屏風を数えるときの単位は「隻」。また二隻で左右対になった場合は「双」という単位を使って、一双と表現します。屏風の折りたたみ面を数えるときは「曲」。http://www.enjoytokyo.jp/TK/TK060120burke.html


[days] 沼津周辺建築ツアー

沼津倶楽部配置図
沼津倶楽部・配置図(新建築2008.10)、余り良く見えないと思うので、興味のある人は「新建築」を買って見てください(もしくは大きな図書館で)。左に細長く並んでいるのが「集合別邸(宿泊)」、中央あたりに「雁行」しているのが「集合茶亭」、アプローチの中ほどにポツンとあるのが長屋門。

新建築
新建築2008.10(サイト)より、「集合別邸」とその前の「水盤」。

沼津倶楽部長屋門
チョッとピントが甘いが、三和土のアプローチと長屋門

沼津倶楽部-3
「集合茶亭」の最も突出した「茶の間」部分、この土庇は出が大きすぎないだろうか?もう少し短めの方がバランスが良いようにも思うが・・・。

沼津倶楽部-4
この「蹲」にも富士の湧水を引いてあるのだろうか?どこかしら鈴木丘さんの作品に通じるところがあるような気もする。

沼津倶楽部-2
偶然写した一枚だが、新建築の表紙と似たアングルになった。「集合別邸」のアプローチ階段の上から。傘をさして立っているのは鈴木丘氏。

沼津倶楽部 パンフ
沼津倶楽部レストラン・パンフレットより

■一昨日の日曜日、沼津御用邸記念公園で行われている、鈴木丘氏の彫刻展を見た後、鈴木丘氏の地元である沼津周辺の建築を、鈴木氏の車と我がワーゲンゴルフの2台で見て回った。メンバーは他に郵政関係の知人3名、総勢7名。
まず、「新建築」2008年10月号http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/sk/magazine/sk2008/sk10/w_frame.html の表紙にもなっている、渡辺明設計事務所http://www2.tky.3web.ne.jp/~awaas/の手になる「千本松 沼津倶楽部」。ここはもとミツワ石鹸の創始者三輪氏の別邸で、広大な敷地には数寄屋造り(「集合茶亭」)のイタリアンレストラン「ヴィーアサクラhttp://www.numazu-info.com/single-687.html」と、自然素材を使った「集合別邸」がある。三和土のアプローチを通り、長屋門・富士の湧水を流れとした庭とともに見ごたえのある建築群となっている。ランチであればそれほど高いものでもないので、機会があれば是非立ち寄ってみたい。ただし予約が必要なので気が向いたときにブラッと立ち寄る、といったものではないようだ。
新館のラウンジ屋根は吉野杉の六寸角の無垢材を敷き並べたもので、軒にその断面が並んでいる様はかなり壮観だ。
詳細については、「新建築」2008年10月号の記事を参照されたい、「集合茶亭」の復元の模様なども詳しく載っている(blog「高田典英のつれづれhttp://with.tea-nifty.com/ifuuseika/cat7138896/index.html)。
この見学が可能になったのは、向かいにある「若山牧水記念館」の理事さんのご協力によるところが大、多謝
参考:NISPAC卒業生が集うBlog http://nispacgraduate.ti-da.net/e2002490.html


なぐりの塀
三養荘の入り口付近、「なぐり」の塀に「三養荘」の文字。

三養荘 外観1
エントランス、ロビー棟。屋根の形が綺麗だ。

三養荘 外観-2屋根詳細
瓦と茅葺の組み合わせは、「デザイン・エッセンス1」の中でも、「大和棟」の項に「中家住宅」として取り上げられている。ここではそれほど大きな茅葺を使っているわけではないが、小粒でもピリリと効いている。http://www.jminka.gr.jp/blocphot/kink/nrphot/nrnaka.htm

三養荘 ロビー
玄関ロビー、どのような使い方なのか良く分からないが、土間と畳の構成が落ち着いた中に、一種の「華麗」な雰囲気をかもし出している。正面に庭園を配置しているのも効果的。

三養荘 ロビー障子
風景を切り取る障子、片引きになっていて敷居は宙に浮いている、かつ、見附が著しく小さく存在を消すDETAILとなっている。固定された左側の障子の桟がそのあたりの答えを示しているように見える。

三養荘 障子DETAIL
これだけ細い敷居だと吊る以外には方法はないはず・・・。

三養荘 パンフ
三養荘のパンフレット。1泊45200円から。

三養荘 cafe
cafeは、箱根樹木園でおなじみの円形の建物で、こちらはフリーで立ち寄れる。

■次に向かったのは、村野藤吾氏の傑作和風旅館「三養荘http://www.princehotels.co.jp/sanyo-so/。これは沼津と言うよりは、韮山に向かう途中の長岡温泉にある。ここも特に事前にお願いしてあったわけではないが、地元でご活躍する鈴木丘氏から「建築家」の見学であるのでと、お話いただいて実現した。この建物は現在はプリンス系の旅館になっているようだが、バブルの時期に余り予算に束縛されずに、現代数奇屋の粋を表現すべく作られたものと言えるのではないかと思う。見学は玄関ロビーのみであったが、支配人(?)さんから当時のエピソードなどをお聞きしながら、「村野建築」の真髄の一部を味わうことが出来た。「三養荘」については、「村野藤吾のデザイン・エッセンスhttp://www.ksknet.co.jp/book/search_detail.asp?bc=92001301シリーズなどを参照されたい。


門
江川邸の門。NHKの「篤姫」の撮影に使われていたと言うことで、撮影風景がチケット売り場の近くに展示してあった・・・。

柱
母家の柱の一部、かなり蟻に食われたり修復で位置が変わったりしたのか、貫の開口を埋めたようなものや、どうして埋め木をしたのか分からないような開口跡があったりで、かなりの歴史を感じさせる。

蔵-1
庭にある蔵の一つ、下見板張りの黒と漆喰の白のバランスが絶妙、屋根の置き方もプロポーションもとても良いと思う。沼津で見た建物中でも屈指の逸品!

蔵-2
ピントがボケてしまったのが残念だが、横はかなりシンプルなまとめ方がされており、デザインの質の高さを感じる。
■最後に向かったのは、韮山の「江川邸http://www.egawatei.com/。韮山と言えば「反射炉」と言うことで、近代化産業遺産「韮山反射炉」http://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/syakai/bunkazai/hansyaro.jspは何回か見たことがあるが、「江川邸」は余りゆっくり見たことがなかった。
江川家は清和源氏の流れを汲み、1000年をさかのぼることが出来るという。37代の江川英龍が逸人であったようで、品川台場の築造などを命じられている。
この江川邸の門はNHKの「篤姫」の撮影にも使われたそうで、「篤姫」の実家の屋敷門として使用されているので、見たことのある人も多いのではないかと思う。この江川家の建物の中で、特に目を引いたのは、茅葺の置屋根を持った「蔵」だった。黒く塗られた下見板張りの腰と白い漆喰の対比が見事だし、正面の壁に設けられた下見板張りの壁と、桁側から回り込んでいる漆喰との微妙なバランスも、きわめて現代的な処理の仕方ではないかと思う、実に綺麗だ。正面に架かる土庇の屋根材である、石の瓦もめったに見られない素地ではないかと思う。
■かくして、日曜日の贅沢なアート建築ツアーは終了した。帰りは三島周辺も沼津インター周辺もひどい混雑で、おまけに東名が秦野中井から横浜町田ICまで25kmの渋滞でひどい目にあったが、充実したツアーを考えれば・・・。

展望棟
沼津で見た建築とは対極にあるかもしれないが、谷口吉生氏の葛西臨海公園にある展望棟も好きな建築の一つ、いろいろな傾向の建築があるが、質の高い建築にはそれぞれ心を動かす力がある。

水族館
同じ敷地(?)にある水族館の建物も実に「綺麗」。
更新日
2008-1118
カテゴリ
art
この記事へのコメント
Comment: 0
トラックバックはこちらから
Trackback: 0

ページナビ